祖母傾山系:センゲン谷 2002.06.23

 久しぶりに傾山方面に出かけることになりました。前回のケイセイ谷以来です。この山手渓谷は中流部に林道が通っています。そのため敬遠されがちなのでしょうが、沢自体はゴルジュや滝も多く、今の季節は目の覚めるような新緑に覆われ、さわやかな初夏を味わうには期待を裏切らない沢です。

 北九州から車で4時間足らずで九折の登山口駐車場到着。道路の整備が進みアクセスが徐々に良くなってきているようである。寝酒を少しいただき就寝。5時過ぎには起床、6:40頃出発する。車道を行きケイセイ谷取り付きの橋のたもとから入渓する。センゲン谷出会いまでは、ナメや斜滝が適当に現れジャブジャブと楽しみながら遡行できる。河原は広く明るい感じだ。やがて本流がゴルジュに入るところで右から2段40mの滝が出会う。これがセンゲン谷で本流が山手本谷である。


センゲン谷出会いまでは水流沿いの水遊び

 2段40mは右手のルンゼを30M程登り上部に達する。さらにブッシュ伝いに左上すると落ち口に出る。すぐ目前に3段20mが現れる。下段は左の水際をあがり、中段も左を登るが少しぬめり滑りやすいので念のためザイルを出す。つぎはスタンス豊富な気持ちのいいシャワーで右手に移る。岩穴がありそこをくぐって上部に出る。

 5mほどの滝を2つ越せばやがて白い帯をたらしたような『あくた神の滝』に達する。登山道から良く見える滝である。ほどよい傾斜の1枚板のスラブを流れ落ちるためか海浜の引き潮ににてサーッ、とした心地よい響きだ。もったいないのでここで大休止、しばし『癒し』の音楽に浸る。

センゲン谷出会いの2段40m
(山手本谷との分岐)
40mに続く3段20m

よく滑るので念のためザイルを出す
(3段20m)
傾山登山道から見える『あくた神の滝』

 『あくた神の滝』は右をまいて越せば二俣で、右がカンカケ谷である。すぐ上を登山道が横切っており標識が見える。左俣を進む。やがて斜滝が現れるが、スラブで直登できそうでないので左を巻く。巻き道はブッシュも少なく容易である。

 しばらく行くと本谷最大の『センゲン大滝』(資料では40m程度)に到達。落ち口から中段まではハングしており水流が直接落ち砕け散っている。ここはすぐ左の岩角に取り付き直上すれば容易に落ち口に達する。

あくた神の滝〜センゲン大滝間のスラブ滝

 上部はガレ谷になり流木もうるさくなると二俣。右に砂防ダムがあり、こちらが本流かと思いダムを越えると林道が横切る。林道のトンネル越えて休憩。資料では左が本流とのこと。林道を2,3分下って左俣(本流)に戻る。ここから上部は水流はなくなり涸谷になる。転石の多い谷を詰めると、傾斜の強い10-15mの涸滝が2つある。いずれも右を巻く。すると左から支谷が合流する二俣、ここは右にとる。

 さらにいくと涸れた小滝が連続するようになる。ほとんど問題なく直登していく。形状から見て終了点が近くなった証拠だがあまり続くと少しばかりウンザリ。でも仕方ないねえ、どんどん越えていくと小滝もなくなりガレ谷、ガサッという音に思わず見上げるとカモシカがガレを横切っていった。
 やがて上部に谷の始まりを示す崩壊跡が見えてくる。谷も終了である。左右とも笹が出てきたがうるさくなさそうなので尾根に上がる。しばらくはラクラクのヤブ漕ぎ、今日は楽勝やんね、とい言いつついけば笹の密藪に遭遇。ヘルメットをかぶって頭から突進し文字通り漕ぐしかないが、倒木とからんでいるため奮闘、苦闘しなければならない。

 でもそれもわすか20分ほどのアルバイト。12:05〜12:30にかけて6人三々五々無事登山道に飛び出た。
傾山頂は次回に延期して、登山道を右にとり九折越の広場で大休止。さわやかな風の流れる広場でのビール!ゴックンの喉ごし格別でした。(飲んでない人もいた?、ごめん!)

林道上部の谷に水流あればもっと楽しい遡行になるでしょうが、満足度は?5段階評価で3−4ですかね。

下山は勿論登山道、15:00頃には駐車場着。行動時間は約8時間といったところ。沢自体は5時間半ぐらいでした。(Y.Kubo記)


(左)40mに達するセンゲン大滝
(右上)
シャワーで奮闘する中原さん!(右下)お楽しみ中の赤澤さん!


■参加者:新、原田、中原、岡村S、赤澤、久保の6名   

■温泉:九折冷泉?(駐車場横で行水、体が締まり最高ですよ!)