四国【赤石山系】わさび谷〜二ツ岳・東赤石山 2002.09.15〜16

 2000年は石鎚山中ノ沢、2001年は石鎚山初芽成谷、と恒例となった四国沢山行、今年は赤石山系を訪れた。メンバー構成を考慮、1日目は初級者向き?二ツ岳北面、『わさび谷』とした。勿論折角だから二ツ岳ピークハントのおまけ付である。2日目は田村、久保以外は初めて訪れる赤石を代表する東赤石山ハイキングとした。
 9/14、17:30北九州(八幡)出発、美東SAで夕食、20:15過ぎには柳井着、予約した21:15のフェリーで四国に渡る。北九州〜柳井は食事込みで2.5−3時間見ておけば十分。 23:40三津浜港着。コンビニで買出し、川内ICより高速にはいり新居浜ICでおりる。

 11号線をしばらく行き浦山川沿いの林道にはいる。途中から未舗装になり幅員も狭くしかも真っ暗で多少不安になるが地形図及び案内書情報どおりわさび谷取付と二ツ岳中の川登山口を確認、少し林道を戻り沢取付と登山口の中間あたりの適当な空き地に幕営する。



【二ツ岳北面:わさび谷】

 明け方は晴れていたが出発する頃は曇り空に変わる。数分林道を戻ればわさび谷取付の橋である。軽トラックが1台駐車している。橋のたもとから7:20入渓。小谷に係らず大岩がごろごろしており、昨年の初芽成谷のミニ版、といったところ。しばらくは小滝が現れる程度で散漫な遡行が続くが左に支流を2つほど分けるあたり、標高500mくらいから小滝が続いて現れる。

 小さいながら釜を持つ滝が多く、右や左を小さくまいてゆく。薮はほとんどなく巻き道もしっかりしている。途中、釣人に会ったが、なんか悪いことをしているようで少し気が滅入る、がこちらもやめるわけにはいかない。釣り人もあきらめ顔。申し訳ないねえ。


遡行開始! 釣り人さん、ゴメンね! 短い谷とは思えないほど水量豊富

 しばらく小滝が続く。巻いたり水流に逆らって攀じ登ればやがて4段の小滝と20mの滝。まとめて左側より巻く。上流は更に小滝が続く。滝数がやけに多いがそれぞれ個性のある『顔』を持っており、味わい深い遡行をもたらしてくれる。さらに濁りやよどみの全くない水がさわやかさを倍増させる。これで木漏れ日でも差せば言うことなし、だが雲は厚みを増し次第に暗くなってきているようである。


釜を持つ滝が多い下流部。

 やがて左に支流を分けると正面に1段と高い本谷最大25mの大滝が姿をあらわした。ここまで小滝ばかりだったので25mはさすがに高い。標高700m位、入渓地点が400m弱、終了点がおよ1000mだから本遡行予定の丁度中間点くらいに達した。大滝眺めて大休止を取る。

直登を楽しむ 本谷最大の大滝25m

 大滝は左を小さくまいて越す。上流は更に小滝が続く。丁寧に越していくと左に支流を分ける。すると群といえるほど小滝が続く。ほぼ水流どおしにいく。下流は釜を持つ滝が多かったが上流は斜滝が多い。いけいけドンドンで行くが少し飽き飽きしてくる。もういいでしょう!、といいたくなる頃小滝群は終わる。ほぼ標高900m、あと100m位だ。やがて行く手が明るく開けたガレに達する。


大滝〜登山道までは小滝が続く!

 開けたガレを越してしばらくゴーロをいけば登山道が横切る。標高およそ1000m位で、ここは渡渉点となっており木橋がかかっていたようであるが流されている。気をつけないと見落としかねない。左上方に『二ツ岳2.5km』の表示がある。沢登はここで終了、時刻は11:55、遡行時間は約4.5時間。資料では4-5時間となっているので標準タイム。
 ここで沢装備を解き登山靴に履き替える。時間があるので本日のおまけ山行に出発する。

楽しいのですがあまり続くといささかウンザリ !ここまでくるともうすぐ終了です

 蛾蔵越までは緩やかなヒノキの植林帯を行く。あたりはすっかりガスに覆われてきた。雨の降るのも時間の問題か。蛾蔵越(1266m)12:40。尾根の向こう側には銅山川肉淵方面へのよく手入れされた登山道が下っている。ここに荷をデポ、右へ縦走路を行く。道は明瞭であるが、急傾斜で岩場が多く腕力を使うのぼりが続く。

途中、岩峰『鯛の頭』を通るがガスでぼんやり、で迫力なし。およそ1時間ほどのアルバイトで二ツ岳山頂(1647m)着。晴れていれば展望利きそうだが今はガスの中、小雨もぱらついてきた。ビールをまわし飲みして小休止。14:00下山にかかる。


 雨に濡れた岩や木の根っこに注意して下れば1時間で蛾蔵越、デポ荷を回収、ヒノキの植林帯を下る。ガスが立ち込めしかも小雨が降りつづいている為雲も厚く樹林帯はかなり暗い。3時過ぎとは思われない暗さである。今のところ道は明瞭であるがこれ以上暗くなると道を失いかねない。やがてわさび谷の終了点を過ぎ尾根に上がる。しばらくでとなりの『鉱山の谷』の主役、敬天の滝が見える滝見晴台。ガスの中にぼんやり落差60mに達する白い水流を見ることができた。

 あとは檜や杉の植林帯、時々現れる自然林の中を下るだけだ。途中2,3箇所間違いそうな分岐がある、が間違いはすぐわかる程度。しかし一般道であるからもう少し標識があったほうがいいと思う。植林帯は下草もなくよく手入れされているので暗くなったらかえって迷いやすい。ともあれ時間とカケッコしながら中の川登山口に16:40、駐車地点が16:45着でした。
二ツ岳山頂。笑顔の絶えない御機嫌の6名

ぬれた衣服を着替えて移動開始。11号線にで新居浜市内で食料とお酒調達、赤石山系南面の別子山村へ向かう。たいした距離ではないが笹ヶ峰と赤石山系を結ぶ稜線をトンネル(標高約1000m)で越えていかねばならない為時間がかかる。別子山村ではガイドブックにしたがい筏津山荘上の村営キャビン駐車場に幕営。筏津登山口はすぐ近くである。夜は敬老の日を祝しささやかな宴会を催しました。


敬老の日を祝う?懲りない面々

【東赤石山】

 筏津登山口(標高約700m)7:10頃出発。よく整備された道を行く。途中、瀬場からの道を合し、瀬場谷右岸の高台を巻くようにして付けられた道はうっとうしくなく比較的快適。しばらくで八間の滝を右下に見る。しばらくで渡渉点。渡ると左は赤石山荘へ直接行くルート、右は赤石から瀬場谷に張り出した尾根を回りこみ瀬場谷右俣?を2回ほど渡渉して東赤石山迂回路に至る。

今回は、右を取る。出発時は曇天だった天候は次第に回復に向かいつつある。少しかわいた心地いい風を受けて快調?な足取り、といいたい所だが昨夜少し飲み過ぎ、食い過ぎで多少もたもたするが、それでも10時には迂回路に、10時15分には東赤石山頂(1707m)着。強風でしかもガス、脊梁に連なる岩稜が見え隠れしている。いつものようにビールで乾杯!しばらく待つがガス取れそうにないので10:45縦走開始。


アルペン的な岩稜を楽しむ。

 稜線通しにいったり巻いたりして乾いた岩稜の縦走を楽しむ。1時間半ほどで西赤石方面への登山道に合流、赤石山荘方面の左を行く。山荘前で小休止。ここは水場とキャンプ指定地がある。前回はここで1泊した。12:30瀬場谷コースで下山開始。このコース、自然豊かな沢沿い、天候も回復、さわやかな風を受けての下降は快適そのものである。

途中2回渡渉すれば登りの時の分岐点。もう1回渡りひたすら歩けばやがて筏津登山口。さらに一登りで駐車場。到着は14:45でした。

東赤石山山頂(1707m) 秋の気配漂う八巻山(東赤石山)

★2日間で、合計標高差およそ2200m、行動時間約18時間をこなした参加者の皆さん、御疲れ様でした。変化にとんだ山旅ができたのではないでしょうか。又、折をみて四国を訪ねましょう。(Y.Kubo記)

■参加者:原田、日高、田村、橋本、赤澤、久保、以上6名
■沢装備:各個人は標準装備、ザイルは30m×1、15m×1を持参したが30mは必要なかった。15mも1回使用。多用したのは4-5mのお助けロープ。
 釜を持つ滝は巻いたが盛夏ならば泳いで取り付けるのでもっと楽しい遡行になりそう。勿論時間は少し余計かかりますが。
■遡行図:日本登山大系10『関西・中国・四国・九州の山』参照ください。二ツ岳、東赤石山ともに市販のガイドブックに詳細案内があります。


温泉:西条市の11号線から少し山側に入った『湯の谷温泉』。
国道沿いに案内板あり。
入湯料300円、但し石鹸、シャンプーなし。泉質良好。最近はやりのきらきらスパとは違い古めかしいつくりですが本物の温泉です。
地元のお客さんが殆どで、特徴は食堂がついていること。今回も湯あがりにビールと夕食いただきました。



赤石山系概念図