伯耆大山北壁:弥山尾根  2002.1.12-13

 通いなれた高速を少し控えめに走っても約5時間で山麓の大山寺につく。12日、8時過ぎに新さんを小倉駅でピックアップ、13時半には下山駐車場にはいった。身支度を整えお店で酒を購入したのが14時、元谷の嵐の指定幕営地到着、15時。ちょっと早いけどテント設営、16時には酒宴開始、すぐそこをついたので大山寺まで買出し。

 1日目の登行は多くとも1.5時間なので後悔しないためにもたっぷり運んだが良い。深く反省!
 12日は快晴、屏風のように広がる冬の北壁全景を見たのは初めてである。とりわけ落ちかかった西日に光り輝く三鈷峰が印象的であった。夜はいつもより遅めに就寝。


北壁:右が別山、すぐ左が弥山沢、
その左が弥山尾根
三鈷峰(1516m) 大神山神社鳥居で

 13日は曇り、元谷一体はガスが立ち込め視界100mあるかなしか。北壁に向かって元谷小屋左の弥山沢に続く本沢を詰める。20分ほどで左から降りている尾根に出会う。それにとりつく。あたりは視界不良。どこにいるかさっぱりわからない。40分程急な雪壁詰めると少しガスが取れてきた。なんと眼前に巨大な岩壁!むむむ、違う、弥山尾根じゃない。左を見ると大屏風岩がすぐそこにある!

 われら3人はなんと北壁のど真中を詰めていたのだ。それにしてもまじかで見る北壁はすごい迫力!あっさり転進、自らつけたトレールを少し下り左へトラバース、沢2つほど行くと別のパーティに出会う。仲間との話を伝え聞くと弥山尾根のようである。何とか目標の尾根取り付きに到着。時刻は、8:40。思わぬことで北壁の偵察ができた、といいように納得して3パーティのうち2番目に取り付く。


ここまで来て間違いがわかった!
(大屏風岩を望む)
弥山尾根取付付近
弥山尾根中間地点より別山

 弥山尾根は、下半がブッシュ混じりの雪稜、上半は急な雪壁、技術的な困難さはさほどないが気象条件次第では厳しそう。高度感は抜群!時折、ガスが晴れて眼下の元谷を望めたが壁はすっぱり谷に向かって落ちている。又、景観もすばらしい。とりわけ弥山沢をはさんで見る別山。白い鎧をまとった鋭いピラミッドに圧倒される。

 登攀開始が9:00AM、登攀終了11:45AM,先行パーティのおかげで楽させてもらった。自らラッセルすれば3-4時間位は見ておいたほうが良い。終了点は、弥山ピークより縦走路を100m程度行った地点。帰りは、6合目小屋からシりせードで下降、1時間で幕営地に到着した。下の右及び左の写真、ぼんやりした背景は元谷です。

元気いっぱいの原田さん やる気満々の新さん 賞味期限切れの近い?オジサン

 そんなに広くない元谷であるがガスると非常にわかりづらい。細かいところ何回か通わないとだめかな、と思う。それにしても北壁、登行意欲そそりますよ。夏道〜弥山もいいけど、宝珠尾根〜三鈷峰が面白いかもしれません。人が少ないから自分達の山が楽しめるだけでなく、ラッセルやナイフエッジなど面白みがあります。それに比べ夏道は、登山者が多い上、ポイントがない。ピークハントとしては意味があるかもしれませんが。この辺は各人の好みの問題。いずれにしても伯耆大山は、冬山目指す人にとって期待を裏切ることないとあらためて確信しました。

登攀終了、くつろぎの嵐パーティ 伯耆大山遠景。
6合目以上は純白の雪に覆われている。

データ:尾根のビレイはブッシュで取れる。雪面に出ていなければ掘り出すこと。スノーバーは持っていったほうがいい。無雪期はぼろぼろの岩とブッシュの尾根。取り付きから3−4ピッチほどはスタッカットがベター、上部の雪壁はコンテでもOK。ブッシュの落とし穴に注意!ザイルは40mでOK。60mは長すぎて取り扱い煩雑。(Y.Kubo記)

■参加者:新、原田、久保の3名でした。帰宅:新見新千屋温泉16:00発、JR小倉駅20:20着でした。
■デジカメがなく、写真いまいちです。御容赦ください。

厳冬期の別山

 ■右のスカイラインが別山バットレス(別山中央稜)、細かい黒の粒々が登攀者 (2002.1.13)

伯耆大山北壁概念図





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