西中国山地:十方山瀬戸谷右俣遡行
& 吉和冠山〜寂地山
 【2004.09.23】

 秋分の日9/23の計画は、ボッカと沢登り。沢組の希望:前回は南下(祖母・傾:熊が谷右俣)したので今回は北上!ボッカ組:足立山〜戸ノ上山で計画。沢組から、少し目先変えてボッカしませんか・・・寂地/冠/十方あたりはいかがですか、天候はマズマズですよ、とお誘いしたところ話がまとまり計6名で出かけることになった。

予報は、曇りだが18時以降は雨模様・・・どうせそのころは帰北の車中だ・・・・しかし現地到着前から本降り、時に止むがまた降り出すあいにくの天候となりました。
ボッカ組の戯言:これで北九州方面、雨が降っていなかったらムカツク!ネ・・・・・・ゴメンナサイ、すみません!聞いたところでは曇りで、15時頃からアメだったそうで。

【参加者】 
★冠山〜寂地山ボッカ組:西方、三栗、鉄井、高木、以上4名     
★瀬戸谷右俣遡行組:赤澤、久保、以上2名

瀬戸谷右俣遡行
 
 本年4月に十方山大谷右俣を訪れた。明るく開放的な沢登を愉しむことができた。紅葉には早いが、ブナ林を求めてこの前はパスした瀬戸の滝のある瀬戸谷を遡行することにした。瀬戸谷は、登山口駐車場から入谷するのでアプローチがゼロ!下山も立派な登山道に出るので安心!
きついのはイヤ!な方も是非お出かけください。

今日のメンバーです。
雨にも負けず・・・・疲れさまです!
【コースタイム】
■登山口駐車場発9:05〜瀬戸の滝9:45〜滝落口10:15〜二俣11:00〜奥俣12:00〜遡行終了12:35〜登山道13:05〜登山口駐車場13:55
■遡行時間:4時間、下降時間:50分


【遡行図】
『西中国山地の沢』(三浦 章著)参照ください。

【参考HP】
西中国山地:大田川水系 大谷右俣〜十方山 2004.04.11

 ボッカ組を松の木峠まで送る。幸い雨は止んでいる。このまま降りませんように!・・・バックして、またね!と手を振ったら降り出した・・・・十方山の登山口駐車場へ急ぐ。駐車車両なし。小雨模様だが中止する気はさらさら無いので支度を調え、瀬戸ノ滝遊歩道を少し進み入谷する。入口には、『台風による危険箇所発生のため通行禁止』のロープがかけてある。

 すぐに3連の淵がある。いきなり泳ぐ気にならないので左から小さく巻く。しばらくは大岩のゴーロ、時たま淵が現れる。遊歩道入口には滝までおよそ800mの表示があった。このまま数百メートルの河原歩きでは退屈するので、水際をいったりへつったり、遊びながら行く。遊歩道は左岸から右岸へ、そして左岸に転ずると、やがて轟音が響き、本谷を代表する『瀬戸ノ滝』が現れる。

3連の淵。左を小さく巻く(F1) せっかくですから愉しんで行きます


 瀬戸の滝は標高、600mに位置し、下段28m、上段19mの2段の滝である(現場の案内板)。上段、下段ともに滝壺がある。滝正面、間近のところに展望テラスがあり、そこに立つと水煙を含んだ冷気が心地いい。
2段で50m近い落差だからさすがに落口は見上げるほど高い。

 別名、『咬龍(こうりゅう)の滝』とも呼ばれ、『・・・滝付近は原生林に囲まれており真夏でもひんやりと涼しく、春は鳥のさえずりと新緑、秋は燃えるような紅葉と、四季折々の魅力を愉しむことができる。

激しい音とともに細く長く落下する滝の様子は、まるで天に昇る龍のよう。雄大で迫力満天の景観は広島県でも有名な名瀑・・・』(説明板)・・今日は水量が多いのか、けっして『細く』なく豪快だが・・・・しばし滝見してスタートする。



瀬戸の滝(別名:咬龍の滝)正面もいいが横顔も迫力あります。

 下段の滝壺左の比較的傾斜の緩い草付にとりつく。直上しブッシュ伝いに木登りを続けると、こけで変色したフィックスロープがある。強度はありそうだが、適度にあるブッシュをつかんで急崖を右斜上、少し下降すれば上段の落口にでる。落口に立つと遙か下方に先ほどの展望デッキ、さすがに高い!

 小休止する。資料では、ここから二俣までは『平凡な河原』だが、原生林に囲まれているので気分はよさそうだ、そしてうっとうしさは全くなく明るい雰囲気である。5分ほど休み河原散策スタート。

 今の時期は、新緑も紅葉もないが、天空にすらりとのびたブナ林に囲まれた河原歩きは開放感一杯だ。風薫る五月晴れの頃だったら木漏れ日が眩い淡い新緑を愉しめそうだ。

 小雨がぱらついているのに気にならない。二俣までの40分間は小滝も遊ぶ淵もなく文字通り河原歩き。散歩気分で行けば二俣である。水量は同じくらい?小休止の後、右俣にはいる。


フィックスがあるが、ブッシュ登りの方が安心 落口から展望テラスを見下ろす

瀬戸の滝落口から二俣までは河原散歩です

 右俣にはいるとしばらくは河原、そして次第にゴーロになりやがて2条の滝。このあたりから台風による風倒木が目立つようになる。せっかくの滝も倒木に覆われ通過が少々面倒だ。

 しばらくでゴルジュになる。右は簡単だが左をトライ。途中はかぶっておりあっけなくドボン、行けそうにないのでそのまま右をへつり通過する。次はCSを持つF7、滝心にでて突っ張って越える。F6,F7はあっさり泳いだ方がよさそうだ。ここを越えると標高770mの奥の二俣である。小休止の後、右に入る。

河原からゴーロへ・・・やがて2条の滝(F4)

風倒木が滝を覆う ゴルジュの奥にF6。左へつり、中間から右壁へ CSのF7、突っ張りで越える

 
 右沢に入ると水流は急に細く、沢幅も狭くなる。小さなナメ滝を越えると、F8の直瀑、小粒だがすっきりしている。右手が登れそうだ。とりつくと適度にしっかりしたスタンス・ホールドがあり快適に通過する。F8を越えると、数個の小滝が続く。一部倒木があるがおおむね気分のいい遡行である。

【写真左:】釜のあるF8は、右壁を快適に登る

 斜滝を越え、落口に大岩の詰まったF11を越えると急に平凡な河原になる。やがて二俣。左が水量多いが、もう滝もなさそうなので右に入る。

 水流は急激になくなり、ガレと流倒木の枝沢になる。ここで右の尾根にあがる。後は尾根を詰めるだけだが、下草はほとんどない尾根だから詰めるのもらくだ。

 急坂30分ほどの登りで稜線の踏跡にでる。左へわずかで十方山登山道に出る。時刻は、13:05、丁度4時間の遡行であった。


 
 


F8を越えると小滝(F9)が続く。流・倒木があるがおおむね快適

斜滝(F10)、続いてCSのF11を越えると、急に平凡な河原になり二俣。実質的な遡行はここで終了

 小雨降るなか下山、13:55駐車場着。
 谷自体は滝数もさほど多くなく、登れる大滝もないので少々物足りないが、十方登山道も含めてみるとブナ原生林の精気をたっぷり味わえる周回コースだと思う。

 駐車場のトイレを借りて着替え、ボッカ組と合流すべく寂地峡駐車場に移動する。
 待つこと30分、15:00に4人ともニコニコ顔で下山。
曇り!といって誘ったのに雨になって申し訳なかったが皆さんの笑顔みてほっとしました。お疲れ様でした。

(Reported by Y.Kubo & Photo by K.Akazawa)


ちょっぴり秋の気配!
吉和冠山(1339m)〜寂地山(1337m)

■中国山地のしとしと雨の中、10月の剣岳遠征に備え、ボッカトレーニングに出かけました。総距離 13km 上り900m 下り1200m 6時間12分。
 九州ではあまりお目にかかれない自然林の縦走路とおいしい空気のおかげで快調なペースで快歩、休憩をはずせば6時間を切るタイムでした。ときどきは中国山地の山がいいですね
また、秋にはどこか行きたいですね。
(Report &Photo by Y.Takaki)


■コースタイム
 8:48 松の木峠
10:37 冠分岐
     10分 休憩
11:13 冠山 山頂
11:42 分岐
12:32 寂地山山頂
     3分 休憩
13:24 みのこし峠分岐
15:00 寂地山登山口駐車場