尾鈴山系:小牧谷&後谷(石並川支流 2006.07.16-17

■07/02、梅雨さなかではあるが天気予報につられて小牧谷に出かけた(参加者:速水、赤澤、久保の3名)。ねらいは、梅雨の晴れ間に涼感満点のシャワークライミング!・・・・ところが見事に外れ現地は土砂降り時々曇りのさんざんな天気、谷は薄暗くおまけに雨でカメラがダウン!まともな写真も撮れず残念な思いで帰北した。しかし、この谷は、滝の数がやたら多くしかも殆ど直登可能!遡行時間は3名で2時間半だったがゆっくり愉しんでも3−4時間もあれば十分、下山は林道歩きで1時間半程度・・・・・沢登はじめての人にはうってつけのコンディションである。

07/16-17の連休、西中国山地か尾鈴か迷ったが直前に宮崎に晴れマークが出る。今回は、新入会員の西さん参加なので迷わず小牧谷に行くことにする。2日目も天気よければ、小牧谷の尾根向こうの後谷にも足を延ばす予定だ。


 天候は予想通り2日とも好天で、計画通り小牧谷、後谷を遡行することが出来た。

 小牧谷と後谷については、『九州の沢と源流』に詳細な遡行図がある。小牧谷の滝記号は60以上、後谷も40以上ある。いずれも3時間位の遡行だから、時間当たり15〜20位滝を越えねばならない。しかし20mを越える大滝はないし、深いゴルジュもないのでなんともポイントに乏しいが、結果的には、遊んで愉しむ、という点で参加者の皆さん満足でした。

■石並川と小牧谷、後谷位置図

■参加者:西、伊津見、岡村S、赤澤、久保、以上5名

■07/16、早朝の05:30小倉南区出発。休日のせいもありスムーズに延岡市にはいる。延岡と日向の境から、前回発見した農道を辿ると、よりスムーズに移動、9時半過ぎには予定した駐車地点に到着。天候はハレハレ!非常に気温が高くムンムンするが・・・・シャワーにはもってこいの気温と思えばガマンガマン。
来る途中に、『××橋から通行止め』の標示があったが、駐車地点の目と鼻の先に通行止めの柵がある。



今回の参加者はこの5名です

沢支度して、09:50出発する。柵を越せば崖崩れ現場、道路は土石と木材で埋まっている。注意してこれを越えると後は渡渉地点まで特に支障なく進む。10:10、渡渉地点到着、踏み跡をたどり河原に出て石並川を渡ると正面が小牧谷取り付きである。
沢登はじめての西さんに簡単な注意と右岸左岸、ヘツリ、高巻き、等の意味を説明して、10:15遡行開始する。


路上を埋めた崖崩れの堆積 石並川本流を渡渉 本流の河原
(出合の斜滝4m上から)

【入渓 10:15〜第1目休憩 10:55】
 第1ラウンドスタート! 出合いの斜滝4mは左から小さく巻く。すぐに同じような釜を持つ斜滝3m、これは右から越える。続いて又斜滝6m、右からヘツリ水流の際を登る。以後も斜度の緩い滝が続々登場する。釜のある滝が多く、右からダメなら左からと攻めれば何とか巻かずに水と戯れながら愉しむことができる。ドボン!と落ちたところで釜があるから安心である。

 しばらくいけばゴルジュとなり立派な釜のある斜滝6mが現れる。この滝はさすがに両岸切り立ちへつっていけそうもない。左から小さき巻いて滝頭に出る。上流は同じような斜滝、ナメ滝が続く・・・・緊張感はないが滝が連続するので渓相はなかなかよく遡行していて気分がいい。急ぐ旅じゃなし適当なところで休憩。

出合から2番目の斜滝
小牧谷は釜を持つ滝が多い
斜滝6m、右からへつって取り付き直登
斜度の緩い滝が続く・・・これらの斜滝が全てカウントされているようだ
釜のある滝は、右がダメなら左から攻める・・・ドボン!でも安心
小滝が続く・・しばらくで立派な釜のある斜滝6m、ここはへつりは不可能で左から高巻く
6mを越えると又同じ様な斜滝やナメ滝が続く。適当なところで1回目の休憩

【〜第2回目休憩 11:40】
 第2ラウンドは、前ラウンドより変化のある遡行となる。右手より滝で出合う支流を見送っていけば左岸が岸壁となる。右岸は自然林で気持ちよく歩けるところである。やがて又、騒々しくなって斜滝、斜滝・・・・いずれも水に浸りながら進むと10mはあると思われる立派な斜滝登場。右手の乾いた壁は簡単に登れそうだが・・折角だからザイルを出し水際をいく・・・が、上部は難しそうなので右よりにあがる。滝頭は樋状で上流に続いており、スリップすれば斜滝の滝壷までのウォータースライダーとなるので念のためザイルで確保、右岸に移る。

 更に斜滝を越えていけば浅いゴルジュ。釜のある滝は右からヘツリ釜を越え適当なところからシュリンゲを使い水際に下降、上部の釜はそのまま左岸からへつる。上部の斜滝を抜けるには右岸へ移らねばならない。強い水流に片足を突っ込み大きくまたいで右岸に移動、岩を直上する・・・・少々気合を入れた、シャワーをいっぱい浴びるこの一歩が今日のハイライトかな。
抜けたところで2回目の休憩にはいる。


左岸が岩壁だが、右岸は自然林・・・木漏れ日を浴びる気持ちのいい谷歩きだが、しばらくで又斜滝が続く
続いて現れる斜滝は、愉しみながら行きましょう!
釜を持つ立派な滝、ザイルスケールで丁度15mだから、10mくらいの高さがありそう。滝頭は樋状、スリップに注意!
斜滝を越えていけば浅いゴルジュにはいる。釜は右をヘツリすすむ
適当なところからシュリンゲを使い水際に下降、そのまま右岸をヘツリ上段の滝へすすむ
気合一発の開脚で右岸へ!シャワー浴びて爽快 抜けたところで2回目の休憩

【〜第3回目休憩 12:15】
 第3ラウンド開始。このラウンドも斜滝からはじまる・・・・何処までも続きそうな斜滝・・・・・水と戯れながら容易に遡行できるので気分はいいのだが、同じような滝が続くと少々飽きがきそうだ。
 前回は、土砂降り時々小雨の暗〜いずぶ濡れの谷歩きで少々滅入ったが、今日は陽射しに滝がキラキラ輝く爽やかな滝登りだから、飽きがきそうなんて贅沢は言うまい・・・やがて苔むす岩石帯にはいる。ここを越えると両岸が迫り釜のある斜滝に出る。右から水際をヘツルが・・・あと一手がない。すこし戻り上方に手を伸ばせば、指がかかるホールドがあり、それで上の段に這い上がりトラバースして滝の右手を越える。越えたところで3回目の休憩。


姿、容(かたち)は千変万化・・・・白く輝く斜滝群!
Vサインの西さん、こういう愉しみ覚えたら病みつきになります! 苔むす岩石帯。いい雰囲気です
両岸迫ると釜のある斜滝に出る
右手水際をヘツルが・・・あと一手が決まらず上へ押しやられる。トラバースして滝右手から越える

【〜第4回目休憩 12:40】
 遡行開始しておよそ2時間経過、遡行図で現在位置を推定するに、多分一つ目の巨岩帯を過ぎた後のあたりだろうと思う。すると残り1/3位だから1時間弱である。しばらく休んでスタートする。本流は切れ目なく斜滝が続く連瀑帯の様相、次々に現れる斜滝を飾る木漏れ日の自然林が沢登の爽やかさを倍増させる。しばらくで第2の巨岩帯に出る。ここを過ぎると次は、15m、20mの似たような斜滝、あまり気を使わず登れる斜度で快適登行!・・・・越えたところでランチタイム休憩。もうあと僅かであるが、涼しいところで腹ごしらえすることにする。

切れ目なく斜滝が続く連瀑帯の様相、白く輝くレースのような流れがまばゆい・・・・しばらくで第2の巨岩帯通過

巨岩帯ヲ過ぎると、似たような斜滝:15m,20m。快適に越えたところでランチタイム休憩とする

【〜遡行終了 12:55〜駐車地点 14:20】

 腹ごしらえを終え、ラスト遡行スタート。すぐに左手から支流。通過すれば、本流には緩い斜滝が続く。いずれも問題なくジャブジャブといけば滝は消失、ゴーロとなり源流の様相。左手には大きくカーブした林道がまじかに迫り藪もなく一投足で舗装された林道に出る。遡行図ではもう少し谷を詰めると、この林道の上部の橋に達するようだが、上流には滝はなさそうなのでここで終了とする。

緩い斜滝やナメ滝を2,3越えると滝は消失、平凡なゴーロとなり遡行終了となる

舗装された林道に出る・・・・冷房の効いた部屋からいきなり炎天下の広場に投げ出されたようで急激に体温が上昇、汗が噴出す。

 沢装備を解き、靴を履き替えて、13:15下山開始。あとは林道をテクテク歩くのみである。

 しばらくで谷底まで一面伐採された展望のよいところを通過する。谷底が石並川である。山並の彼方には日向灘が望める。林道は一つ目の分岐を左に取る。しばらくは未舗装だが、そのうち舗装になるとすぐ左へ未舗装の林道が分岐。この林道は途中でオシマイなのでをやり過ごして行くとヘヤピンカーブ、舗装された道を下ればしばらくで伐採地に出る。左に分岐するが、道なりにそのまま下れば車道、左に10分足らずで駐車地点に到着。14:20着だから、ここを出発して4時間半、ちょっと短い気もするが・・・30度以上の夏の日の遊びだからこの程度で十分!です。
下山は駐車地点までの林道歩き・・・山並みの彼方には日向灘が望める

 滴り落ちる汗を除くには水浴びが一番、適当な水場を探して都農へ向う。幸いに丸木谷を渡る橋のすぐ先に小沢があり、そこで汗を落とす。小さな釜があり水浴にはもってこいのところだ。さっぱりして津農の町へ向う。

 何処で幕営するか・・・いろいろ案が出たが水、トイレがあり、大木の多い『都農神社』となりの『一の宮鎮守の森池』駐車場にお世話になる。ここは酒屋も近いし街中だけどうるさくない。A COOPで美味しそうな食料を買出し、冷えたビールと黒霧島で喉を潤し、夕暮れまで愉しく歓談して明日に備える・・・が、いつもの事ながら少々飲み過ぎたかな・・・(続く!)

都農町のど真ん中でビバーク?綺麗な公園です。決して汚さないように!
【Reported by Y.Kubo  Photo presented by S.Okamura & K.Akazawa】

(続)尾鈴山系:小牧谷&後谷(石並川支流) 2006.07.16-17