三瓶山:南ルンゼ(仮称)〜男三瓶山 2006.01.09

■三瓶山はトロイデ型の休火山である。すり鉢の底、平たい火口底には室ノ池と呼ばれる火口池がある。通常、霧島や阿蘇など周囲を巡らす火口壁は切り立っているが、ここ三瓶山は傾斜は急であるが樹木が生い茂り、無機質むき出しの荒々しさはない。しかし火口底から見上げると1ヶ所だけ例外があり、男三瓶の頂稜あたりから急峻なむき出しのルンゼが火口底にかけ落ちている。

島根県立三瓶自然館サヒメル
発行の、『SANBEフィールドミュージアムニュース 三瓶冬紀行』Vol. 62(発行 平成15年12月1日)の表紙には、『雪の室ノ内』(撮影 篠田雪夫氏)のタイトルで、室ノ内から男三瓶山の写真が掲載されている(http://www2.pref.shimane.jp/sanbe/news/pdf/sanbe62.pdf)・・・見ると、写真中央、男三瓶山に突き上げる白い雪のルンゼに目がいく。全体的にはハイキングコースと思っていたが、そこだけは、岩と雪の世界のように見える・・・このルンゼを登行ルートとする場合、雪の条件が限定されそうだ。


参加者です(男三瓶山避難小屋横にて)

■コースタイム:

 
西ノ原駐車場07:30〜扇沢経由〜男三瓶分岐
09:30〜南ルンゼ10:30〜避難小屋11:50〜山頂12:15〜西ノ原駐車場13:30(行動時間:6時間)


■参加者:

 
赤澤、高木、岡村S、毛利、久保、以上5名

■温泉:
 かんぽの宿三瓶
 『三瓶簡易保険保養センター』


南ルンゼ〜男三瓶山登行ルート概念図

 01/08、夕方北九州発。美祢西IC〜長門〜萩〜益田〜大田経由で西ノ原にはいる。大雪にもかかわらず駐車場は綺麗に除雪されていた。道中は、小雨になったり星空になったりしたが、三瓶はどうだろう?・・・到着してみると星も見えているようだしひょっとしたら晴れ!かもしれない。車中とテント泊に分かれて就寝。
01/09、遅めの起床。天候は待望の晴れのようだ。07:30、出発。北ノ原の雪原にはトレールがあり、時たまもぐるが、扇沢コースと正面登山道分岐の営林署小屋までワカンの必要なし。


 営林署小屋で小休止。これから辿る扇沢コースはトレールがないのでワカンを履く。おおむね膝程度のラッセルとなるが、時たま股下まで潜る。途中左手急斜面下にデブリあり・・・どうやら新雪で落ちるべき所は落ちでいるようである。最後の急坂の登りをこなせば、09:30男三瓶と子三瓶をつなぐ火口壁に出る。ここは標識が出ており正面を辿れば室ノ内池に出る交差点になっている。
西ノ原の雪原を行く 営林署小屋で休憩 ラッセル開始
ルートは概ね夏道を辿る 最後の急登 交差点。標高は約850m

 小休止。南ルンゼに取り付くには、火口底の樹林帯経由があるが、雪が深そうだ・・・楽できるかどうか?わからないが標高を保ちながら男三瓶の南斜面をトラバースして取り付くことにする。2−3ヶ所急斜面があり、雪崩の後を横切る。こういうところは堅雪でワカンの爪では少し心配、アイゼンに履き替えたがよさそうだが面倒くさいので強引にトラバースする。幾分標高は下がったが、1時間ほどのトラバースで南ルンゼに出た。

女三瓶山が近づく
トラバースルートから子三瓶山、遠くに孫三瓶山 眼下の室ノ内池
急傾斜の所や雪の深いところがあるが、取付くには火口底経由よりトラバースの方が楽?かもしれない

 ようやく樹林帯から解放され、幅は狭いが開放的な雪面に出る。このころになると、ピーカン!南側に位置するので冷たい風は吹かず、まるで春山である。このルンゼ、すでに左右からの雪崩によるデブリ、数ヶ所あり。ただ幅が狭いのでいずれもごく小規模である。大きなやつが出るとすれば正面からだと思われる。傾斜は下部は予想より緩いが、上部に行くに従い強くなる。最も強いところで4つ足歩行と2つ足歩行の間くらい。

 今回は積雪大で、膝から股下程度のラッセルに終始したが、雪が締まった春先の冷え込んだ時の方がオモシロイかもしれない。中間部を過ぎルンゼが扇形に広がるようになると、濃いブルーのキャンパスに浮き出た純白の頂稜が望まれ、思わずオオッ!・・・ブッシュのリッジが落ちている二俣は右を取る。左を詰めれば最後が急坂になり頂稜の雪庇が出ている可能性が高く少々危険である。右にはいると次第に傾斜が強くなる。これまで知る三瓶とは二味くらい違うシーンに唸ることおよそ1時間20分程のアルバイトで頂上台地に出る。左へ30m程行くと、修繕された?避難小屋がある。勿論、小休止。

デブリの詰まる南ルンゼに出る このあたりデブリが多いが、規模は小さい
文字通り純白の頂稜が視界に!
眼下に室ノ内池が望まれる ラッセルは順繰り交代。春山を思わせる青空が眩しい
ブッシュのリッジの終端が二俣・・・ここは右 山頂から南側にせり出している台地
三瓶山離れした景色を愉しめるルンゼ上部の登行 遠くに孫三瓶山。もう一息で山頂
ルンゼ登行最終章、頂上台地目前! 山頂避難小屋。向こうの丘が山頂

 しばし休憩して山頂に向かう。山頂からの眺望は雄大である。残念ながら伯耆大山は、下部の樹林帯が見えている程度で白い大山は雲の中である。
男三瓶山の頂上部は起伏の小さい広大な台地になっている。目標となるものがまったく無い。以前、2回ほど冬季に来たが、2回ともこの頂上台地で吹雪にあい山頂の標識までたどり着かず下山している。山頂から見ると、退却したと思われる小さな丘は、すぐ近くにある。しかし視界が数mになると辿り着くのはかなり困難だと思う。

 しばらく眺望を楽しみ下山にかかる。西ノ原方面には切れ切れにトレールが残っている。楽勝と思ったが、そうはいかない。ワカンで踏まれているので、2歩に1歩はしっかりもぐる。しばらく行くが疲れるので仕方なくワカンをはく。

 白い台地は次第に高度を下げ、そして西ノ原の雪原を眼下にする辺りで次第に白い尾根に収斂していく。最後は急坂をダイレクトに下降、樹林帯にはいる。夏道はジグザグにつけられているが、関係なく直下降を続けると、ジグザグのトレールに突き当たる。左に取れば営林署非難小屋前に出る。子供に遊ぶ西ノ原をまっすぐ突っ切れば、駐車場。到着は、13:30でした。

 

男三瓶山山頂 下山は、広大な台地を西へ!
傾斜の緩やかな広大な台地状だから、多分、雪に巻かれると・・さて、西ノ原はどっち?になりかねない
西ノ原の雪原、駐車場を眼下に雪稜を下る

 今日は、天候に恵まれ、行きたいと思っていた南ルンゼ(仮称)の登行が出来、しかも三瓶ばなれ?した景観を味わったし、広大な白い台地の小さな丘、山頂を踏むことが出来た・・・・・・大満足!だが、やはり天候が殆ど全てを決めますねえ・・・今年もよろしく御願いします。

【Reported by Y.Kubo  Photo presented by K.Akazawa, S.Okamura & Y.Takaki】