秋山:北ア読売新道〜赤牛岳〜湯俣 & 南ア鳳凰三山

2007.10.06-09

 黒部ダム〜読売新道〜赤牛岳〜竹村新道〜湯俣〜高瀬ダム 

 
 奥深い北アルプスの ”へそ”;赤牛岳は、いつか訪れたい!と思っていた山である。多分赤牛岳は、既存のアクセスを利用しても最も奥深い山であるような気がする。裏銀座縦走路からそれて、水晶小屋からピストンするか、水晶岳〜赤牛岳を越えて黒部湖に下山するか、等々?
・・・・いやいやどうせ行くなら縦走のついでではなく・・・・赤牛岳目指して黒部湖から読売新道をひたすら登り詰める!・・・・このルートで登ってこそ価値がある?と思いルートを決める。

 予報では、10/06-07は、秋晴れ、しかし10/8、寒冷前線通過!で曇り/雨マーク。昨年丁度この連休中に白馬岳で遭難事故が発生した。急激な天候悪化で吹雪に巻き込まれた気象遭難であった。今年も雪になる可能性がある・・・・そんなことやら、あんなことやら頭の隅において出発する!

 ・・・・・・・・! ・・・・・・・・・! ・・・・・・・・・・!

 幸い雪にはならなかったが、10/07深夜から、10/08終日大荒れとなる・・・・濡れ鼠となって湯俣にたどり着く。さすがにテント張る気にならず、晴嵐荘に駆け込んだ。

 水晶岳〜東沢源頭〜竹村新道は紅葉の盛り!天気よければ十分秋を愉しめるルートである。竹村新道は、よく整備されており稜線から安全地帯に脱出するには最短ルート!

 一方、4日目の休暇の都合が付かず、鳳凰三山に出かけた二人は、天候に恵まれ秋山を愉しむことが出来たようです。
 
 かくして今年の秋山は無事終了!


COURSE TIME
●10/06: 扇沢着(05:45)〜扇沢発(06:30)−黒部ダム(06:55/07:20)〜平ノ渡(10:30/12:05)〜東沢出合(14:05)〜奧黒部ヒュッテ幕営地(14:10)
●10/07: 幕営地(04:20)〜中間地点:4/8(08:10)〜赤牛岳(11:00/11:15)〜ビバーク地(13:10)
●10/08: ビバーク地(06:30)〜水晶小屋(08:30)〜真砂岳竹村新道分岐(10:30)〜湯俣(15:00)
●10/09: 湯俣(07:45)〜名無避難小屋(08:30)〜高瀬ダム(10:00)
COURSE TIME
●岡村M、西方、加藤、三栗、高木、赤澤、久保、以上7名

読売新道から黒部・立山・後立山方面を望む
10.06 

 10.05、20:00、門司出発。扇沢の駐車場が心配なので休まず走らせる。爺ヶ岳登山口付近は車があふれていたが、扇沢無料駐車場残り僅かのスペースを確保できた・・・ヤレヤレ、まずはイイ滑り出しである。さすがに連休初日とあって車も人もあふれかえっている。段取りがよかったこともあり06:30発の臨時便に乗ることが出来た。20分後黒部ダム着・・・お〜ッ、寒い〜!気温は一桁。トイレ、水の補給をすまし、出発する。平ノ渡発、12:00乗船予定だから余裕を持って行けそうだ。

急いで支度し扇沢駅に向かう 今回の参加者7名(於:黒部ダム堰堤)


 ダムを渡り平ノ小屋方面の左岸の歩道に入るが、はや歩道を歩くのは我々7人だけである。平ノ渡場までは、黒部湖岸をいくので水平歩道で楽勝!と勘違いするが、結構上り下りがある。100段ちかいハシゴの登り下りや大きく回り込む箇所があり、気分的なつかれがでる歩道である。それでも3時間とすこし頑張れば渡し場が見え、平ノ小屋はすぐそこである。途中、3人の方と前後したが、奧黒部ヒュッテから赤牛岳往復、とのこと・・・・・やはりいましたねえ。すこしマイナーな方がお好みの方々が・・・。
 
 割とまじめに歩いたので、10:30には渡し場についてしまう。乗船予定の12:00までは時間がたっぷりある・・・ゆっくり休もう!・・・この辺り初めての人は、ザックをおいて小屋まで散歩に出かけたが・・・・・なかなか帰ってこない。しばらくして、伝令! おつまみがあるので来ませんか?・・・そう、どうせ時間あるから行来ますか・・・・ということになって、本日午前の部、終了の乾杯となりました。

標高1500m近いのに紅葉はまだまだ・・・今年は残暑が長引き遅れているようだ
数ヶ所のハシゴの登下降や枝沢を渡って行けば渡し場に出る
渡し場にザックをデポ、平ノ小屋で早速、カンパイ!


 12:00すこし前、渡し場へ移動。すこし遅れてきた船長さんの指示に従い乗船する。ゆっくりした速度で対岸へ向かう。湖面を吹きわたる風が心地イイ!ほんの僅かな時間の船旅を愉しんで右岸に再上陸。さあ、あと3時間ほど歩けば、本格的にビールが飲める!

 ハシゴは、俄然右岸の方が多い!登り下りだけでなく、削られた崖のトラバースが多く、注意が必要である。あまり思い詰めないで淡々とこなしていけば、いつの間にか対岸が迫り、湖面が下がっているせいか早めにきれいな河原が出てくる。歩道は、尾根の中腹を縫うようにつけられているので河原には出られないが、次第に本日の目的地が近づいてきた。

 立山連峰が望めるところを過ぎ、更に進めば段丘らしい平地に出る・・・・・そして東沢を渡ると、奧黒部ヒュッテの幕営地である。14:10分着、皆さん、お疲れ様!

 広〜いテン場に僅か3張の可愛らしいテント!・・・・・ホントに静かなサイトである。ビールを買いだし、車座になってチビリ、チビリ、と飲みながら反省会!・・・・周囲を囲まれたこの辺りは、早めに日が落ち気温が下がる・・・従って、早めの就寝となりました。明日は、4時出発ですよ!

対岸の針ノ木谷出合 僅か20分の船旅
崖のトラバースが多い。河原まで結構な高さがあり用心して通過する
(上、右上)立山連峰方面が望める (下)東沢を渡ると奧黒部ヒュッテ
広い幕営地と樹間に建つ奧黒部ヒュッテ
くつろぎタイムです・・・本日はお疲れ様!明日が今回のメインです・・・英気養って頑張りましょう!

10.07

 ビバークを想定して各自行動水+2リッター程度の水を荷揚げする。奧黒部ヒュッテから赤牛岳山頂までの標高差は、およそ1400m、先日行った”槇之口〜市房山”とほぼ同じである・・・・今の所、全員快調だしのんびり行けば問題なく行けそうだ。
 03:00、起床。04:10、ヒュッテで用を足し水を補給する。まだくらいのでランプをつけて出発する。登山道は明瞭。幾つかの急坂を越していけば、1/8の標識がある。どうやら8/8が赤牛岳山頂のようだ。全体を8ピッチで登れば、ラクですよ・・・ということかもしれない。
 
 05:50頃になると、立山、後立山の稜線が朝日に輝き出す・・・今日は予報通り絶好の秋日和のようだ。尾根は、下部の急坂を越していくと次第に、急傾斜と緩傾斜を繰り返しながら徐々に標高を上げていく。
 標高が上がるにつれ季節が進み次第に周りの木々が秋の装いに変わっていく。08:10、標識:4/8(5合目)着。ここら辺りが森林限界か、ナナカマドの赤やダケカンバの黄色、等の灌木に囲まれた開放的な所だ。ちょっぴり低めの気温に体も引き締まった感じで気分は上々、一息入れる。

立山に朝日が差す・・・・標高があがると黒部湖も見えるようになる
登る程に季節が進み秋が深くなる
標識:4/8(5合目)辺りを行く・・・・次第に鮮やかな紅葉に囲まれてくる

 
 小休止した標識:4/8を越えるとハイマツ帯に入り俄然眺望が開けてくる。ハイマツ帯に紛れ込んだ真っ赤なナナカマドがひときわ目立つ。やがて標識:5/8に出る。ここで又小休止。振り返れば・・・歓声! 黒部湖を中心にして、左に立山、右に後立山:針ノ木岳を配し、最奥に白馬岳まで見渡せる広大なパノラマが目前に展開する。

 しばし愉しんだら6/8へ向かう。一登りすれば、読売新道の終点:赤牛岳とそれに続く尾根が目に飛び込んでくる・・・・・背面の黒部は勿論いいが、大きくゆったりとした山体で横たわる前面の赤牛岳も甲乙つけがたい・・・・・4/8を過ぎた辺りから、歓声が絶えない・・・ホントに晴れてヨカッタ!


もうすぐ、5/8です・・・・ハイマツ帯に入り眺望が一気に開けてきた

写真上:5/8辺りからの黒部方面  
写真下:5/8を越えると赤牛岳に続く稜線が一望できる


 6/8(7.5合目)、赤牛岳がすぐそこに有る!・・・ように見える。多分、澄み切った大気と赤牛の大きな山体がそう感じさせるのだろう。左右に尾根を広げ、正面にバットレス風の壁?を落としている姿は、見栄えがいい・・・・ここでも小休止。この標識、一息入れるための区切りに丁度いい間隔で設置されているようだ。
赤牛岳までの尾根には、大小5ヶほどの緩やかな起伏が見られる。近いように見えるが、まだ1,2時間はかかりそうだ。

 09:30、出発。あと2ピッチ残すのみ、頑張っていきましょう・・・・一つ目のピークの岩塔に出て振り返れば、黒部方面は立体感満点! 進めば赤、白、緑のカラフルな尾根・・・そろそろお疲れ気味の皆さんの気を紛らわすには十分な眺望である。

 ハイマツ帯から、ガレの中にでれば山頂は間近である。しばらくガレを詰め、ハイマツにはいると標柱のあるなだらかな赤牛岳山頂に出た。時間はかかったが、全員読売新道を登り切った・・・皆さんお疲れ様!


標識:6/8(7.5合目)から赤牛岳山頂(最奥のピーク)を目指す

鮮やかな紅葉に飾られた尾根を行く・・・もう一息で山頂!
登る程に大きく広がる黒部に後を押されて、紅白の鮮やかな尾根を行く

派手な赤黄が消えると夏のようなハイマツと砂礫の尾根・・・・・最後の登りを頑張れば山頂だ

赤牛岳(2864.2m)山頂からの展望

 11:00、赤牛岳山頂着。奧黒部ヒュッテから休憩含み6時間40分である。山頂に至る稜線でも勿論眺望は素晴らしいが、山頂から見る北アルプスは又格別だ。360°グルリと遮る何物もない展望が得られる・・・天候に恵まれて本当によかった・・・登る人のあまりなさそうな読売新道をたどって得られたこの景色だもの感激!感謝!


五色ヶ原、剱・立山連峰、黒部別山、遠くに白馬三山
五竜岳、鹿島槍ヶ岳、針ノ木岳、蓮華岳、南沢岳、烏帽子岳
裏銀座縦走路・・・野口五郎岳、真砂岳。遠景は表銀座縦走路
真砂岳〜東沢乗越〜水晶岳。遠景は北鎌尾根〜槍ヶ岳〜穂高連峰
左端は水晶岳。遠景:三俣蓮華岳、笠ヶ岳、黒部五郎岳、手前の台地は雲ノ平
遠景は、赤木岳、北ノ俣岳、太郎小屋あたり
手前は雲ノ平と薬師岳東南稜末端でその下の谷が黒部奥の廊下辺り
薬師岳。カールは、左から南陵カール、中央カール、金作谷カール

 
 赤牛岳あたりで泊まるのなら、のんびり眺望を愉しみたいが・・・明日が予報どおり雨なら出来れば水晶岳近くまで足を延ばして置きたい。

 11:15、水晶岳に向かって出発。広々とした尾根を歩く・・・・・まさに稜線漫歩で、歩行に緊張感を感ずるところ、まったくない。
 正面の縦走路の有る尾根は、いくつかの緩やかな丘陵を起こして彼方まで続き、一際高い水晶岳の岩峰に至り最後が裏銀座縦走路のある尾根につながっている。右手には薬師岳〜太郎平〜黒部五郎岳のダイヤモンドコース、左手には、烏帽子岳から野口五郎岳を連ねる裏銀座縦走路の緩やかな起伏の尾根が延びる。

 多分誰にも会わないだろう、と思っていたが予想に反して赤牛岳に向かう単独行の登山者!
会うなり・・・今から三俣山荘までは無理ですよ。自分は、山荘を今朝5時過ぎに出て、6時間後にここですから、今からだったら三俣に着くのは17時過ぎますよ・・・・・いや、無理するつもりはありません。ビバークするつもりでテント持参してますから・・・・・しかし途中、泊まるにしても水がないですからねえ。みんな、水晶小屋近くの赤ノ池でビバークしてますよ・・・・・・いや水も持っています・・・ああ、そうですか、水晶のこちら側にいいテン場がありましたよ・・・・・有難うございます・・・お気をつけて!・・・・

 右も左も展望が雄大すぎて、歩くほどには景色は変化しない。しかし歩かねば行程は消化できない・・・・歩け、歩け・・・・歩くほどに確実に近づく水晶岳。2時間ほど行けば、温泉沢の頭への緩やかな登りになる。

 みると左手がちょっとした二重山稜になっており、山稜に挟まれた凹地に幕営の跡らしく整地された所がある・・・・テン場には良さそうだ。凹地だから風も幾分避けられそうだ・・・・と思いつつ時計を見れば、13時過ぎだ。出発して9時間ほど経ち、疲れているだろうがあと2時間も行けば水晶岳を越える。越えたあたりでビバーク地を探すことにしよう、と足を踏み出したが・・・・まてまて、明日は前線通過で悪天になる。この先、悪天の中、ビバークできる所はないかもしれない。稜線で強風にさらされたら軽量テントはひとたまりもないだろう。しかし明日のことを考えたら少しでも先に進んでおきたいし・・・・・どうするか?・・・・立ち止まり、振り向いて・・・もう9時間近く行動しているけど・・・まだ歩ける?、と聞けば・・・・歩け、と言われれば歩きますよ!との回答、・・・・だがねえ・・・やはり、”今日は、ここで泊まりま〜す!”ということにした。

雄大すぎて遅々として変化しない景色・・・・・歩け!、歩け!・・・・歩くほどに近づく水晶岳
2時間ほどで格好のサイト見つけビバークすることになる

 
 かくして、温泉沢の頭手前でビバークすることになりました。縦走路より少し下がった凹地で格好のサイトである。すこし休憩したあと整地、テント設営、そして小宴会。さすがにビールはないが、濃度の濃いウイスキー、焼酎はしっかり担いできた!・・・・昨日と同じように円卓会議で和やかにすごす。勿論、明日の朝食用、行動用水を確保して、残りは全て胃袋におさまった。

今日はあった登山者は、僅か1名・・・・期待通り自分たちだけの山愉しめる実に静かな山域なのです。


二重山稜の間の凹地が今日のビバーク地
本日の行動時間は、約9時間、標高差:1400mの登りでした。お疲れ様です!

ビバーク地辺りからの展望

東沢乗越と北鎌尾根〜槍ヶ岳 黒岳(水晶岳)
後立山連峰(遠景:白馬三山〜針ノ木岳、蓮華岳、南沢岳、烏帽子岳)を望む

10.08

 夜半よりの強い風雨に軽量テントは翻弄される。然し、幸いなことに気温はさほど低くなく、どうやら雨のようだ。ひょっとして雪になったら・・・・と案じていたが雨でほっとする。予報通り寒冷前線は通過したようだが、小康状態になりそうな気配がなく、このまま悪天は続きそうだ。
 雨足がすこし遠のいた時、手早くテント撤収し、水晶方面に向けて出発する。設営していたところは、二重山稜のような地形の窪地だったので北西〜西風を直接受けなかったが、尾根筋に出るとすごい強風をまともに受ける。ほぼ右手水平方向から雨が頬を痛撃する。しかしながらガスが出ていないので視界は比較的よくルートをはずすようなことはなさそうだ。


 1時間たらずで温泉沢の頭を越える。頭からすこし下っていく。岩屑の踏跡の場合は明瞭だが濡れた岩塊にルートが変わると踏跡が不明瞭になる。こんな処で捻挫とかしたら大変だから消えかけたペンキ印を丁寧にたどる。水晶岳に取付く辺りは二重山稜になっており一ヶ所窪地に大きな雪田がある。融かせば水が取れそうだ。幕営できそうな処もあるが、せいぜい1,2張ぐらいだろう。水晶岳へは右手から回り込むようにして急坂を登る。山頂を示す標柱を左に見て休まず歩を進める。しばらくで岩稜から広い尾根に変わる。風雨は変わらないが足許が安定してきたのでホッとしていると、こんな風雨の中数羽の雷鳥が散歩中!鳴き声はお世辞にも清涼感を感じないが、チョコチョコ歩き回る姿はなかなか可愛い。もうすぐ初冠雪の季節だから羽はほぼ白くなりかけている。

 水晶小屋への分岐を過ぎると裏銀座縦走路に出る。すぐ左下が水晶小屋である。ここまでは吹きさらしの稜線だったのでまともに休んでいない。雨をしのげる軒先はないか・・・と探すがそんな場所は全くない。仕方ないので休まず進むことにする。小屋から東沢乗越までは痩せた稜線が続く。東沢源頭にあたる左手は、ガレて崩壊が進んでいるようだ。右手も大きく崩壊したところがあるので注意して通過する。

 やがて東沢乗越。風をしのげそうなところで雨フライを被り小休止。歩いている間は寒くないが休むとすぐ体が冷えてくる。5分少々で腰を上げる。ふと後ろを振り向くと、2人パーティが続いている。


 ヤセ尾根を越えていけば次は真砂岳である。左下方はカール状になっており紅葉がきれいだ。昨日のビバーク地から見えたのはここだな・・・・と思いながら行けば後続の2人(男性+女性)が追いついてきたので先に行ってもらう。急坂をしばらく行けば、竹村新道経由湯俣への分岐に出る。先の2人は竹村新道を進んでいる。当初の計画では、天候次第では竹村新道、悪天なら危険箇所もなく確実に下山できる烏帽子小屋〜ブナ立て尾根経由で、としていたが・・・・取付から見る限りよく踏まれているし、ここから標高は下がるので風も弱まるだろう・・・先行者もいるようだし・・・・一応マップに記載された登山道だ・・・ということで計画通り湯俣経由とする。

ルートは真砂岳をトラバースするようにつけられているが、トラバースが終わると尾根に出る。まだまだ風雨は強いが、南真砂岳を越えると湯俣岳とのコルまで下降になる。標高が下がり次第にブッシュが大きくなる。又、尾根の左斜面にはいると風は避けられようやく気分が落ち着いてくる。風のないところで小休止。下降になってから紅葉の盛りの尾根伝い、晴天だったら歓声があがりそうな所だ。

 前方に湯俣岳を見ながら下降するが、木製のハシゴが多く設置され下りやすい。コルから湯俣岳へ取り付く。多量の降雨の為登山道は、沢と化しており、まるで沢登りの源頭へ詰めているようである。傾斜が緩やかになれば、三角点の設置された小広場の湯俣岳山頂に出る。ここまで来れば残り1000m弱下降するのみ、先が見えたましたねえ・・・・・一息入れて行きましょう!
 湯俣岳からの下りは、登山道は広く急坂はない。よく整備されており非常に歩きやすい。強いて言えば湯俣川を望む展望台前後、足許がすこし悪い。
 
 真砂岳分岐からおよそ4時間30分で湯俣に到着。新しいゴアの人はあまり濡れていないようだが、古い雨具の人は、靴も含めて濡れ鼠・・・とてもテント張る気になれないので、皆さんと協議、晴嵐荘にやっかいになることにする。

 冷えた体を温めてくれる温泉、そしてビールとお酒付きの美味しい夕食が、我々を迎えてくれました。ちなみに先行された2人は大阪の方で、温泉に入られたあと、高瀬ダムまで下山されました。京阪神から見れば、我々の伯耆大山と同じような感覚のようです。

竹村新道に入り標高が下がると風も弱まりすこし余裕が出てきた・・・周囲は紅葉の盛り!
温かい温泉で冷えた体を温め、冷たいビールで乾杯!

10.09

 朝になって霧雨になり、ほぼ止む。昨日洗濯した衣類は、乾ききってはいないが、予備がないのでそのまま着込んで下山にかかる。今日はウイークデーだからだろうが、昨晩お泊まりは我々だけだった。
 遅めの07:45出発。高瀬ダムまで2,3時間の距離である。ここは黒部ダムと違い、ほぼ水平だから疲れることはない。吊り橋を渡り高瀬川右岸の整備された歩道を行く。途中から小雨がぱらつきだしたので雨具をつけるが、快調に飛ばす。名無避難小屋で小休止、しばらくで車道に出る。
 道路工事のためすこし巻いたが、予定より早めの10時にダム堰堤に到着。みると我々の到着を待っていたかのようにタクシー2台、待機中!

 1台は扇沢へ車回収に行く。七倉まで戻り、全員集合、そのあしで、いつもの葛温泉:温宿(おんじゅく)『かじかで山旅の疲れをとる。
温泉を出ると丁度昼時になる。行く先は、勿論、大町駅前の食堂”さくら”!・・・・・・しかしながら、残念なことに”さくら”は、お店を閉じていました。

 ”さくら”の隣の美容室の紹介?ですぐ近くの
お食事処”三洛”へ!・・・・・予想以上の大当たり!・・・低料金(1000円以下)、美味、ボリュームたっぷり!でした。

 参加者の皆さん!お疲れ様でした。

お世話になった晴嵐荘、雨に打たれた後の温泉は格別でした!
湯俣〜高瀬ダムの整備された歩道。途中の名無避難小屋で休憩する


下山したら・・・・・温宿:”かじか”お食事処:”三洛”でくつろぎの一時を!


Reported by Y. Kubo
Photo presented by Y. Takaki & K. Akazawa


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