九州では、まだまだ雪の便りには程遠いこの時期、初雪の山を求めて恒例の富士山に出かける。
今年は、富士登山にあわせて南アのクラシックルートである小渋川から赤石岳を目指すパーティも出かけることになった。
 
 24日は、風強く低温だったが富士山、赤石岳ともに快晴に恵まれ両パーティともに初冬の山を愉しむことが出来た・・・・雪山のシーズン到来です!




南アルプス クラシックルート 赤石岳 小渋川 ルート

平成19年11月23−25日 

 
 3連休が迫ってきた2週間ほど前に、塩見岳に行こうかという新谷夫妻に南アルプス南部の主峰赤石岳(一等三角点では日本最高所)へ至る最も古い小渋川ルートに行きませんかと提案、3日間で行くには、湯折から七釜橋より入渓、渡渉を繰り返し、広河原小屋に泊まり翌日、赤石をピストンするか、小屋に沢装備やいらない装備を置き、荒川小屋まで入り、翌日下山という手もあるが、北九州からの運転で睡眠不足なので、前案に決定、充実した山行となった。


コースタイム(すべてのコースタイムは休憩を含んでいます。)
●22日:PM2000北九州出発

●23日:湯折ゲート8:00〜七釜橋830〜高山ノ滝1015〜広河原小屋1200 行動時間4時間
●24日:広河原小屋615〜舟窪920〜大聖寺平1025〜小赤石岳1210
      〜赤石岳1250〜小赤石岳1350〜大聖寺平1440
      〜広河原小屋1700 行動時間11時間

●25日:広河原小屋800〜高山ノ滝900〜七釜橋1030〜湯折ゲート1100 
      行動時間3時間

飯田にて食事・風呂・休憩 天空の城(展望風呂より南アルプスが見渡せます)http://www.sangitei.com/contents/spring/f-spring.html

飯田1500〜北九州2445 3連休の為大渋滞でした。 

参加者新谷T・新谷C・三栗・高木(4名)
装備:完全冬装備+沢装備+テントで望みましたが新雪(10cm)でクラストもしてなく、
  おかげでアイゼン・ピッケル使わずにすみラッキーでした。





 
 
23日、600に松川I Cを降り、コンビニで朝食を買い出し、大鹿村の小渋ダムサイドを通り、塩河方面を左に見送り、塩見岳や三伏峠への鳥倉林道を使う豊口山コースの入口のすぐ先小渋橋手前を左折、湯折ゲート手前に駐車(67台可)準備をし、写真上左、ゲートを回り込み800出発、写真右上、林道を20分ほど歩いたところにある真っ暗なトンネルをくぐると眼下に七釜橋が見えてくる。


七釜橋手前より河原に降りるが護岸工事が進み、ここの水流はすべて伏流となっていた。


 
はじめの2・3箇所はへつりながらかわせる。


3箇所目は対岸までの渡渉となるので沢装備へチェンジ、冷たい水へ突撃となるが
重荷でのウォーミングアップがあったおかげで意外と冷たくない。


渡渉には沢靴・ネオプレーンのスパッツ&ソックス・ダブルストックが非常に有効でした。


渡渉の数は途中でわからなくなったが(17箇所?)頭上の木に赤布がついているポイントで写真左下の渡渉(水中の岩には線のような模様がある)が一番水流が強いので念のためザイルを出す。



 
渡渉もほぼ終えると左に高山の滝が見えてくる、皆からおおっと声が出る、なんとまもなく凍り付いてしまうような状態だ。滝を見ながらの休憩をとることにする。 
 
 さらに1時間ほど遡まれば上写真右の二股にたどり着く、正面の標識に昇り、3分ほどの林のなかにひっそりとたたずむ1200広河原小屋が見えてきた。今夜、明晩とお世話になります。


 3連休であるが登山口から大聖寺平までの往復はまったく人に会いませんでした。(稜線では男性の単独行に2名会う) 
水場は小屋横の福川から取り放題ではあるが淵が凍っているので注意が必要です。

夕方まで明日の登山ルートの下見や小宴会で時間をつぶし、明日に備え早めの就寝となった。

 

 
 
24日6:15テントにデポ荷を押し込み、少し明るくなるのをまって出発、10分ほど歩き、大聖寺平まで6Kのアルミの標識が右前方に見えてくるところが尾根への取り付きです、ここから少し登った急斜面に大木を乗っ越さなければならず、ここが一番厄介なところでしょう。その後は明解な登山道となり歩きやすいがまずは大聖寺平まで1300mさらに赤石岳まで460m、総行程12km、累積標高1850mのハードコースです。



途中から雪が出てきたがクラストはしていないので終止アイゼンは使わなかった。
舟窪の標識から尾根をはずしトラバース気味に大聖寺平へ1.3


稜線に出るところでガレ場を通過するが落石に注意を払いながら通過する。  大聖寺平 1030


大聖寺平から荒川三山を後ろに見ながら小赤石へひと登り。


小赤石岳 1210を通過、つり尾根を進めば赤石山荘への分岐がまもなくある。


快晴の赤石岳山頂 13:00


山頂は風が冷たく寒いので避難小屋へ行くことにしたが冬季小屋は靴を脱がないといけないので日なたで食事を取り休憩。景色をゆっくり楽しみたいが日が暮れる前には小屋に戻りたい。往路を黙々と下山、広河原舎 1700到着、ぎりぎりいっぱいでした。



25日 今日はETCを有効利用する為に北九州には2400すぎに到着予定です。ゆっくりと朝食を済ませ、沢装備でスタート、渡渉を終え登山靴にチェンジ、おかげで3時間で終えた。
 
 飯田バスセンター近くにはうまい蕎麦屋がある。腹ごしらえが終えれば近くの天空の城(展望風呂)に入り、飯田IC1500にのり、北九州は予定通り2400すぎでした。

 今回のコースはまたいつか来たいなと思わせるお勧めのいい山行となりました。

 小渋川ルートは天候にかなり左右されます、前日までに雨が降っている場合や、当日も雨が降ると渡渉がきびしくなり、エスケープラインがありません。今回は1週間前から降水もなく当日も快晴でラッキーでした。

Reported by Y.Takaki  Photo presented by T.Shintani & Y.Takaki

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南アルプス クラシックルート 赤石岳 小渋川 ルート


 出発は、いつものように20:00 (11/22)。嵐の愛車は、遠距離走行には不安の残る症状なのでレンタカーにする。やはりガソリン車は静かだ。3連休だが渋滞もなく快適ドライブで停まらず走り、いつものように富士山のよく見える富士川SAで朝食をとる・・・・・今日の富士はどうかな?
 
 5合目以上がガスの中だが、見える範囲では白いものは見当たらない。予報では、冬型の気圧配置だが太平洋側は好天になるはず・・・・少し遅れ気味なのかもしれない。このSAは強風が吹き荒れている。あのガスの中の富士山は荒れているんだろうか?

 今回は、天候よければ最短ルートである富士宮口から取り付き、頂稜で幕営の計画だった。しかし天候がどうもすっきりしないので須走口に変更、、1日目は3000mあたりで幕営、明朝天候を見て頂稜を目指すことにする。御殿場ICで高速から降り、ふじあざみライン経由で須走登山口へ向かう。

 今朝ほど富士の5合目以上を覆っていたガスはいつの間にか消え去り、青空にくっきり浮かぶ富士が綺麗だ。積雪は少なく、白い部分は多分7合目以上と思われる。うねるようなカーブの連続で高度を一気にあげると、標高2000m、駐車車両1,2台のだだっつ広い駐車場に到着、時刻は8:00である。



コースタイム
●11/23:須走登山口(08:45 2000m)〜本5合目(10:20 2425m)〜6合目(11:20 2627m)
      〜7合目(12:30 2920m) 幕営
●11/24:7合目(06:25)〜本7合目(07:00 3190m)〜8合目(07:30 3270m)
      〜本8合目(08:00 3360m 吉田口合流)〜頂稜:久須志神社(09:20/09:35 3720m)
      〜7合目幕営地(10:30/11:10)〜登山口駐車場(12:10)


参加者
江島、岡村M、岡村S、赤澤、久保、以上5名


【右上:本日のメンバーです】 【左:須走口駐車場】

 

 上部1/3ほどが雪で覆われた富士を仰ぎ見ながら支度をする。8:45、出発。気温は少し低めだが気持ちのいい朝である。登山口にある売店は1軒だけが開いていた。古御岳神社の階段を登れば登山道に入る。ここからしばらくは広葉樹林帯の中の道であるがすでに葉は落ち晩秋の風景である。

 1泊2日の冬装備であるが、幕営予定地は積雪がなさそうなので、水を荷揚げしなければならな。勿論、アルコールもしっかりザックに収まっているので少々重たい。のんびりした速度でのぼれば開けた所に出る。振り返れば、山中湖が望める高度まで登ってきた。

 須走口は静かで登りやすいと思うが、あまり人気がない? 今日も、軽装の単独行の方に追い越されたのみであとは誰にも会わないし見ない・・・・そこがこのルートのいいとこですが。

開いている菊屋さんを通り古御岳神社から晩秋〜初冬の雰囲気たっぷりの登山道を行く



 一本立てる。汗のにじむ膚にちょっぴり冷たい空気が心地いい。登山口よりも標高が上がった分、富士のディーテイルがよく見える・・・・・・8合目以上は積雪十分で風さえ強くなければ雪面の登行が楽しめそうだ。

 腰を上げ次のピッチへ向かう。しばらくで又樹林帯に入る。このあたりからちらほら積雪が出てきたが、気を使うほどの量でない。ひと登りで本5合目の小屋前に出る。

 小屋横の登山道を進めばジグザグの登り、少し傾斜が増しその分、速度が落ちる。

 低木帯を抜けると溶岩帯になりすべてが見通せるようになる。先ほどは心地よかった風もこのあたりまで来ると少し冷たく感ずる。

 すでに2500mを越えたので一本立てる。
 
上部を仰げば、小さく6合目の小屋が見える。あのあたりが、2600mである。

【右・左:振り返ると山中湖が望める】

右手の小屋が6合目(瀬戸館)、遠方に小さく見えるのが7合目(太陽館)。樹林帯を抜けると風が冷たい


 出発して2時間半ほどで6合目瀬戸館に着いた。風が強く冷たいので防寒対策をする。ここまでは全員快調!

【右:寒くなってきたのでちょっと失礼して下着を厚手に取り替える】

 ここ瀬戸館は標高2627m、あと300m登れば本日は終了である。昨年泊まった見晴館(3190m)まで行ったほうが明日が楽だが、幕営に適した広場がない。従い、一つ下の小屋である太陽館(2920m)を利用させてもらうこととする。

 小休止の後、ラストピッチスタート。すっかり溶岩のザレになった登山道をゆっくり辿れば1時間ほどで7合目太陽館に到着。時刻は12:30、登山口からおよそ3時間45分かかった。
 休憩含んで245m/時、夜行便だからまあいいペースである。早速、小屋前の広場の隅にテント設営する。ここは、6合目より風が強い、しかもかなりの低温である。

 30分ほどで設営完了、すぐ入居する・・・・・・夕飯まで時間たっぷり!
 担ぎ上げたビール、ワイン、等でチビリチビリやりながらおしゃべりしてダラダラ過ごす時間!・・・・最もくつろげるひとときです。


瀬戸館を後にする・・・遠くに山中湖が望める もう少しで太陽館(2920m)。右奥に見晴館(3190m)が見える

風を避けて広場の隅っこに設営 夕刻、山中湖にかかる富士の影


 24日、快晴の朝を迎える。

 昨夜は、風強く一晩中外張りがパタパタとうるさかったが、明るくなると少し収まってきた。
 
 簡単に朝食をとりアタックの準備をする。必要なものだけ持参することにする。


【右:24日日の出】 
【左:アタックスタート】

 6:25出発。すっかり雪に覆われた登山道と溶岩が薄ピンク色に染まる。風は思ったほど強くない。30分ほどジグザグに辿れば、鳥居をくぐって見晴館に出る。

 ここは眺望抜群だが、1−2人用テントを張れば通行に邪魔になるくらい狭い。ベンチで小休止する。すでに3200m近い・・・・少しペースを落とさねばこの先きつくなる。
 一息入れて歩を進める。しばらくで江戸屋(3270m)通過、さらに進めば吉田口からの登山道に合流する。

 ここらあたりから雪面の登行に移る。傾斜も次第に強くなってくる。キックステップが怪しくなりそうな箇所は少しカッティングしていくが、そのうち面倒になるのでアイゼン着用とする。


【上】太陽館から見晴館へ向かう 【下】見晴館。文字通り見晴らし抜群!

次第に雪面の登行になる。キックステップの覚束無い箇所はカッティングするが、ここら辺りでアイゼン着用が無難だ


 吉田口と合流したら登山者が急に多くなった。8合目以上は、登路全体が堅雪もしくはバーンしているのでアイゼンなければ危険である。登山道の左手には広大な雪面が展開する・・・・・見過ごすには勿体無いのでしばらく雪面に出て直登することにする。
 久しぶりにアイゼンの小気味よい音を愉しむ。がに股での直登、ピッケルを持ち替えての斜登行、耐風姿勢など雪面登行の復習をしながら9合目最後の鳥居をくぐると頂稜は目前!
 登山道に沿って100mほど登れば、狛犬が守る鳥居。それをくぐれば、久須志神社のある凍て付く3700mの頂稜に出る。時刻は9:20、7合目からおよそ3時間の登行であった。


 頂稜は風があり寒く冷たい!かなり着込んできたが、寒い、というより凍て付く!と言ったほうがいいかも知れない。全員、富士山は初めてではないので剣ヶ峰へ行くのは止めにして小休止したら下山することにする。

紺碧の空をしたがえ狛犬が迎える鳥居をくぐれば『富士山頂上浅間大社奥宮』の標柱のある頂稜に出る
オオッ、寒! 早く下山しましょう!


 下山は速い!3500mあたりから登山道をはずれ下降のトレーニングをかねて雪面をつなぎながら7合目まで下る。さすがに3200mを過ぎると砂礫帯が出てくるがかまわずアイゼンのままで下降を続ける。およそ1時間で7合目の幕営地到着・・・・・皆さん、お疲れ様です!

【右:下山します! 左:お疲れ様でした!】

 一休みしてテント撤収。11:10、下山開始。下山は、ブルトーザー道を行くことにする。小屋から御殿場道方面に車道?をしばらく行けば左手に下降路(登山道)の標識がある。これをやり過ごし幅広い車道を行けばやがて下降に移る。

 勿論、登山道よりは傾斜緩いものの下降高度差は同じだからノンビリ下れる、というわけではない。砂礫だからずり落ちるように下るが、ザレていない所もある!・・・・こんな所、スリップ注意!

 およそ1時間の下降で、駐車場のすぐ裏手に出る。標高差:900mを1時間で下れるから、さすがに整備された車道?は速い!

 今回は天候に恵まれ、小雪ながら今冬初めての雪山愉しむことが出来た。参加者の皆さん、お疲れ様でした。

 

雪面を拾いながら下降する。雪は適当に締まりなかなか快適で、しかも時間はかからない

ブルトーザー道を下る。適当に飛ばせば、1時間で駐車場まで下れる


次回は、2008年晩春の富士山です。是非、御参加ください !


裾野からの富士!

温泉は、『天母の湯』、食事は、富士宮市の『だん』!・・・・小春日和の裾野ドライブで富士宮市へ向かう。
途中、移動につれて姿を変える富士山を眺める・・・なかなかイイですよ!

一本塚辺り 御殿場口 須山口(水ヶ塚公園)

裾野からの富士!

天母の湯でひと汗流したら、次はお食事!富士宮市の大通りから少し脇道に入ったところにある”だん”へ行きましょう。
大きなおわんから溢れんばかり天婦羅大盛りの”天丼”(かけそば付き)、焼きネギと鴨肉に覆われた”鴨南そば”がお勧めです。
ビール飲めないのが残念ですが・・・

Reported by Y.Kubo  Photo presented by S.Okamura & K.Akazawa

 

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