谷川岳:平標山〜谷川岳縦走 & 東黒沢〜広河原(宝川)

◆◆◆ 2008.09.13-15 ◆◆◆


 上越の山;谷川岳はさすがに遠い!北ア、中ア、南アや富士山は、1000km前後であるが谷川岳まで行くとなれば、あと200kmは走らねばならない。
前回計画した時も希望者が多かったが、台風のため断念した。今回も、参加希望を募った所、縦走・日帰り・沢登、いろんなスタイルで合計13名!

 車2台手配し賑やかに出発する。ルートは、名神から北陸道に入り、上越道経由で谷川連峰山麓へはいることにする。富山までは、さほど感じないが・・・その先はやはり・・・、遠くまで来たもんだ!という感を強くする。1台は土合へ、もう1台は平標山の登山口である苗場へ向かう。日帰り組が下山後この車を土合へ回送する予定である・・・・・しかし、よくある話だが、山は計画通り進まない・・・・




平標山〜谷川岳縦走

■参加者
 加藤津子 西方一子 岡村眞由美 岡村繁雄 4名

 【仙ノ倉山往復】鉄井、田村、川中、以上3名

■山行行程


◆9月13日
 町営駐車場8:10 鉄塔9:10 平標山11:15 仙ノ倉山12:25 エビス大黒避難小屋12:25 エビス大黒ノ頭13:30 越路避難小屋15:05 万太郎山16:05 大障子ノ頭17:00 大障子避難小屋17:20

◆9月14日■
 大障子避難小屋5:45 小障子ノ頭6:00 オジカ沢ノ頭6:40 肩の小屋7:50 谷川岳トマノ耳8:10 谷川岳オキノ耳8:30 一ノ倉岳9:30 茂倉岳9:50 一ノ倉岳10:10 肩の小屋11:15 ラクダのコル12:30 車道(駐車場10)14:30 土合橋14:55



 9月13日 8時10分苗場町営駐車場より入山、日帰り組3名と仙ノ倉山まで同行することとなった。しっかりと整備された登山道で、かなりの箇所は木の階段と木道で整備されていました。9月中旬にしては、天候のせいもあるようだが、蒸し暑く汗が滴り落ちる、
 松手山付近より見通しが聞くようになったが、このころからガスも出てきた。

苗場町営駐車場にて 松手山コースの登り
平標山への登り 平標山付近より松手山を望む

 平標山まで3時間、ほぼコースタイム通りで到着、このころより小雨がぱらついてきた。

平標山山頂にて

平標山から仙ノ倉山への縦走路

 
 平標山山頂で写真を撮り早々に仙ノ倉山に向かう、今回の縦走コースでもっとも景色の良い箇所である。
 九州の霧島縦走路の木道によく似た感じの広々とした心地の良い縦走路で、雨が降ったりやんだりではあったが、晴れた時にはもっとすばらしい展望が望めそう。

前方かなたに谷川岳方面を望む

仙ノ倉山頂までは、日帰り組と一緒!
 
 仙ノ倉山山頂で日帰りコース組と別れ万太郎山へ向かう、
1/50000の地図では、わかりづらいがけっこうな上り下りが仙ノ倉山から先は続く、小雨模様で見通しもあまりきかず、そろそろ歩き出して5時間近くになると、じわりじわりと疲れが出てきた。


 避難小屋は、どこもかまぼこ型の据え置きタイプで、窓が無いため夏は、風も通らず泊まるには、厳しいかもしれない。

 万太郎山を通過した頃より雨が強くなり視界も悪く、今回のねぐらの予定である大障子避難小屋へ淡々と足を進めていった。


 大障子避難小屋まで登山口より地図のコースタイムで8時間半、今回は約9時間かかっている、荷物があることを考えるとまあまあですかね。各自それぞれ、行動水と別に2リットル持ってきている、私は、それにビール、酒、etc.でトレーニングを兼ねて19kg位、年のせいですね疲れました。
【上】エビネ避難小屋
【下】毛渡乗越への登り
前方に大障子避難小屋

14日避難小屋出発 大障子避難小屋 小障子ノ頭への登り
小障子ノ頭からの下り オジカ沢ノ頭への登り 谷川岳肩ノ小屋
トマノ耳よりオキノ耳を望む 【上】谷川岳山頂(オキノ耳)
【下】万太郎山を望む

 肩の小屋にザックをデポし空荷で、谷川岳、一ノ倉岳、茂倉岳の各山頂をピークハンターで、ばたばたと写真を撮って、戻るとロープウェイが7時から運転とのことで
10時頃には山頂付近は人でいっぱい、肩の小屋付近も山の上とは思えない人でした。

一ノ倉岳山頂にて 一ノ倉岳より茂倉岳へ向かう
一ノ倉岳山頂付近 茂倉岳山頂にて
肩ノ小屋 【上】肩ノ小屋より
オジカ沢ノ頭を望む

西黒尾根を下山 ラクダのコルから厳剛新道を下山
 
 厳剛新道は、日が照らず涼しいが岩が湿って滑りやすいので下山には、神経を使った。
 大障子避難小屋を出て土合の駐車場まで本日も
9時間行程、皆さんお疲れ様でした。

Photo & Report presented by S. Okamura



土合〜東黒沢〜広河原(宝川)沢登

 アクシデント発生は、予測できない!

 東黒沢は、本山行最終目的地である宝川ナルミズ沢へのプレリュードにすぎない。車利用のため周回コースを設定すると、足慣らしに東黒沢から山越えして宝川に入るのが自然である。

 心配していた天候も好転、まさに、『天国への階段!』とも言われるナルミズ沢!遡行は手中にしたも同然、と気分よく宝川:広河原で喉を潤していた時・・・・アクシデント発生!

 事態の悪化を憂慮、急遽下山することになった !!・・・・う〜ん、残念でした、がまあ、沢は逃げるわけじゃないので、又出かけてきましょう。


■参加者:三栗、栗原、江島、新谷、高木、久保、以上6名
■行程:
 
09/13:土合駐車場(07:50)〜東黒沢〜ウツボギ沢〜宝川/広河原(13:30/15:30)〜宝川温泉(19:30)
 
09/14:土合駐車場〜白毛門(軽装ピストン 休憩含み往復6時間)













 東黒沢は、土合の駐車場から白毛門への登山道へ入るとすぐ横切る沢である。橋を渡り右岸を少し進んだ所で入渓する。

 滑滝、斜滝中心の沢で、滝数もそこそこあり結構愉しめる。両岸は樹林帯であるが、うっそうとした感じは無く明るく開けた沢である。しかし地形図を見ると判るが、割と蛇行した沢で、出合いが多い。二俣が4ヶ所程あり、言うまでも無いが都度地形図で現在地を確認したほうがいい。

 入渓すると早速、滑床が続く。よく磨かれた岩盤を滑るように流れる水流と戯れながら久しぶりの遡行を愉しむ。

よく磨かれた岩盤の滑が続く

 東黒沢最大の滝は、遡行開始後、30分ほどで遭遇する『ハナゲの滝』。滑風の斜滝であるが、水量は多くないので中心辺りから登り傾斜のきつくなる上部は右岸沿いに抜ける。中アの細尾沢上部のような幅広の大滝で天空が開け開放感いっぱいだ。これに日が射せば言うこと無し!

開放感一杯の、『ハナゲの滝』。傾斜はゆるいがスリップすると落下距離が長いよ!

 『ハナゲの滝』を過ぎしばらく滑床や浅い釜を持つ滑滝を進むと左から白毛門沢が出合う。ここは右を取る。すぐに斜滝、水流右から越える。程なく沢幅が狭まりちょっとしたゴルジュになる。沢芯をいけないことは無いが、まだ濡れたくないので左岸の岩棚に這い上がる。いく手が岩でふさがるので右岸へわたらねばならない。岩がぬるぬるで足許が定まらないので、ブッシュにすがって水流に戻り、右岸の岩をトラバース気味に進む。斜滝を越えればゴルジュは終わる。

ハナゲの滝を越えしばらく行けば右岸から白毛沢が出合う(写真右)
右俣(東黒沢)に進む、と斜滝。しばらくで小さなゴルジュに入る
小さく短いゴルジュ帯。左岸の岩棚に上がり、右岸に移りへつって斜滝を越えれば終了

 ゴルジュを抜けると又滑床になるが、しばらくで前方に滝らしい滝が現れる。5mほどの斜滝。近づくずくとホールド豊富、右手水際から快適に越える。さらに傾斜のゆるい滑状の斜滝10m?。どこでもいけそうだが、数少ない滝だから真ん中をいく。少し滑っており少し気を使うが、ここも快適!
 これを越えるとまた広い滑床になり、やがて二俣で両方の沢が滑で出合う。ここは左俣が本流である。ここで後続していた男性3人パーティが先行する。

2段5mは右から快適に越えられる
滑状斜滝10m?傾斜はゆるいが少しヌメリがある・・・・フリクションを確認しながら慎重に!


 左俣(本流)に入り、曲がりくねったナメをたどると前方に斜滝と岩の樋を組み合わせた長〜い斜滝があらわれる。上段の斜滝の水流が中段で二手に別れ下段で又合流している珍しい形である。

 岩の樋に上がり上段の斜滝に取り付く。快適なのぼりで滝上に出る。沢の周囲は、こんもりとした樹林帯だが沢幅が結構広く曇天にもかかわらずうっとうしさは感じない・・・この辺りまでは概ね快適な遡行である。

左俣にはいるとしばらくで斜滝と樋の組み合わせ滝が現れる
岩棚を伝い上段の斜滝に取り付く・・・・快適な登り!

 
 斜滝を越えるとしばらく滑床がつづく。途中、右手左岸より支沢がこれまた滑で出合う。浅く幅広く流れる水流にひたりながら遡行するのは気持ちのいいものである。何も考えずひたひたゆるい流れに抗して歩くだけなのになぜか愉しい!

 10分ほどたどれば、20m近い2段の滑状の斜滝が現れる。東黒沢取り付きからここまででこの斜滝が一番立派?な滝らしい滝だ。この斜滝もスタンス、ホールド共に十分、快適のぼりで滝上に出る。

斜滝を越えるとしばらく滑が続く。途中で左岸から支沢がこれまたナメで出合う(2つ目の二俣)
2段20mのナメ風斜滝。右手から快適に越える


 20m斜滝を越えると、又ナメ床が出てくるがしばらく行くと少し開け流倒木のある二俣に出る。ここが白毛門沢出合いを過ぎてから3つ目の二俣である。流木が出てくると少し煩わしいが、沢はすでに源流の様相を呈しておりもうすぐ最後の二俣は近い。

 左俣に入り遡行を続ける。4m滝、2m滝をこえてしばらく進めば最後の二俣である。ここまで来ると流れは細々した小沢、もう沢登りは実質的に終了である。

 地形図を確認、ここからウツボギ沢下降の取り付きとなる尾根のコルを目指して右俣に入る。そろそろ喉が渇いてきた・・・・はやく尾根を越して宝川にでてビール飲みたい!

斜滝を越えると又ナメ床になる。たどれば白毛門出合いを過ぎて3つ目の二俣。ここも左をとる(写真右)
4m滝、2m滝を越えていくともはや源流。やがて最後の二俣に出る。ここは右俣に入り尾根を目指す


 右俣にはいると流れは更に細くなる。小滝があるが問題なく越えていけば、大岩がらみの4m滝がある。左手から回り込んで越えると、もう源流。流れは次第になくなり涸れ沢になる。高度を上げていけばルンゼが左手から出合う。これを少しつめ右手の尾根に出る。しばらく行くが方向が少し北よりである。山腹をトラバースするように東に振るとルンゼにでる。このルンゼを少しつめるがこれも北より。コルはもう少し右手なので右手にトラバースしていくと下降気味になりコルらしきところに出た。

 コンパス振って方角確認、下降に移ると踏み跡らしきものが見つかる。すぐ赤布があり、すぐ沢の源流に出た。あとは忠実に沢筋を下降する。沢は次第に、左右から小沢を合流させ、次第におおきくなりやがて河原状のウツボギ沢本流に出た。この下りは、たいした時間かかっていないが非常に長く感じた。夜行のためかみんな睡眠不足でお疲れ気味!なんですよね・・・・・・・というような理屈をつけて、今日は、広河原に泊まることにする。

右俣に入ると水流は更に細る。しばらくで大岩の滝、左から回り込んで越えるとさすがに源流
涸れ沢⇒藪漕ぎ⇒コル⇒ウツボギ沢源流へ(写真右)

 
 宝川・広河原に出る。テンバらしき所はすでに多くのテント設営すみ。河原近くは適地が無いので登山道に少し入り込んだところに2張り設営する。ようやくビールにありつける。河原に出てひとしきり飲んで夕食の支度にかかった頃!・・・・・・・アクシデント発生!

 協議の結果、大事をとって急遽下山となりました。泊まるつもりで飲んでいたメンバーは、渡渉で一騒ぎ、更に後半ヘッドランプつけての下山となり大変でした。宝川温泉への登山道は、高巻きやらへつり気味のトラバースやらあり、暗くなると結構危険です。

 こういうアクシデントは無いにこしたことはないですが、あるべし!アルベシ!と頭の隅において出かけましょう。皆さん、お疲れ様でした。この続き、ナルミズ沢は、次回のチャンスに!


 2008.09.14 土合駐車場〜白毛門(ハイキング) 
眼前に展開する一ノ倉沢、幽ノ沢
白毛門 from 松ノ木沢ノ頭付近 白毛門山頂(1700m) 笠ヶ岳〜朝日岳方面 from 白毛門


Reported by K. Kubo  Photo presented by Y. Takaki & T. Shintani